古着転売は違法なのか|古物商許可と税金の境界がわかる?

重ねて積まれた段ボールシートの側面
古着

古着の転売は「全部違法」と思われがちですが、結論はそうではありません。

一方で、やり方を間違えると古物営業法の無許可営業や、偽ブランドの取扱いなどで一気にリスクが跳ね上がります。

この記事では、どこからが違法になり得るのかを法律の要点に沿って整理し、個人が現実に守るべきラインを具体化します。

迷ったときに確認できる一次情報として、e-Gov法令検索や消費者庁、国税庁のページも本文中に示します。

  1. 古着転売は違法なのか
    1. 原則は合法だが違法になる線引きがある
    2. 不要品販売と仕入れ転売は扱いが変わる
    3. 古物営業法の許可が必要になりやすい条件
    4. 無許可営業の罰則と実務リスク
    5. 海外仕入れやオークション仕入れでも考え方は同じ
    6. 偽ブランドや盗品が混ざると別次元の違法リスク
    7. 最初にやるべき安全チェック
  2. 古物営業法で注意すべきポイント
    1. 古物に当たる範囲を雑に決めない
    2. 取引記録と確認の運用が甘いと事故る
    3. フリマアプリでも許可が不要とは限らない
    4. 許可取得の流れと最低限の準備
  3. 古着転売で違法になりやすい行為
    1. 偽ブランドを扱うと商標権侵害に直結する
    2. 盗品や不正品の転売は刑事トラブルに発展しやすい
    3. 状態の誇張は景品表示法の不当表示につながる
    4. 返品特約や連絡先表示が弱いと特商法トラブルになる
  4. 販売ページで必須の表示とトラブル回避
    1. 特商法の通信販売として表示すべき事項を押さえる
    2. 状態説明は「欠点の先出し」と「写真の整合」で守る
    3. 採寸の書き方を統一してサイズトラブルを減らす
    4. 返品特約は表示ルールを守って事前に決める
  5. 税金と確定申告で揉めないために
    1. 課税されるかは「生活用動産」か「事業性」かで変わる
    2. 会社員でも副収入の所得が増えると申告が必要になる
    3. 経費計上は「関連性」と「証拠」で決まる
    4. 無申告は違法リスクとは別に追い込まれる
  6. 安心して古着転売を続けるための要点

古着転売は違法なのか

梱包作業中に伝票を記入する作業スペース

古着転売そのものは、一定のルールを守れば直ちに違法とは言い切れません。

ただし「仕入れて売る」形になると、古物営業法の許可や取引管理が問題になりやすい分野です。

さらに、偽ブランドや盗品が混ざると刑事事件に発展する可能性もあるため、境界線の理解が必須です。

原則は合法だが違法になる線引きがある

古着を売る行為自体は、生活の中で出た不要品を処分する範囲なら一般に問題になりにくいです。

一方で、利益目的で継続的に仕入れて販売する場合は、営業としての扱いになりやすく注意が必要です。

法律上のポイントは「古物」に当たる物を「買い受けて」売るのかどうかで、許可の要否が分かれます。

  • 不要品の処分中心:許可が不要になりやすい
  • 仕入れて転売:許可が必要になりやすい
  • 継続性と利益目的:実態で判断されやすい
  • 取扱い品の真贋:別の法令リスクが乗る

不要品販売と仕入れ転売は扱いが変わる

同じ古着の販売でも、自分で使っていた衣類を売るのと、他人から買った衣類を転売するのでは意味が違います。

古物営業法の世界では、後者の「買い受けて売る」が強く意識され、盗品流通の防止が目的になっています。

つまり、メルカリ等の場であっても、取引の実態が仕入れ転売なら「営業」と見られる可能性があります。

区分 不要品の処分
典型例 自宅の衣類を断捨離して販売
判断の鍵 仕入れの有無と継続性
注意点 利益目的が強いと営業性が疑われる

古物営業法の許可が必要になりやすい条件

古物営業法では、古物商として営業するには原則として許可が必要です。

許可は主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会に申請し、窓口は警察署になるのが一般的です。

ネット販売やフリマアプリでも、仕入れて販売するなら許可が論点になり得るため、早めに確認するのが安全です。

  • 古着を仕入れて利益を乗せて販売する
  • 同種の商品を継続的に扱い、販売頻度が高い
  • 店舗やネットショップとして集客している
  • 転売目的で古着を買い集めている

無許可営業の罰則と実務リスク

許可を受けずに古物営業を行うと、古物営業法の罰則対象となり得ます。

条文上は「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金」とされており、軽い話ではありません。

捜査や指導のきっかけは、取引トラブルや通報、盗品事件の周辺調査など現場要因で起きやすいです。

論点 無許可で古物営業をした場合
主な罰則 三年以下の懲役又は百万円以下の罰金
根拠 e-Gov法令検索(古物営業法)
現実の影響 アカウント停止や取引停止に波及することがある

海外仕入れやオークション仕入れでも考え方は同じ

海外で買った古着を日本で販売する場合でも、転売目的での仕入れなら許可の論点は残ります。

「どこで買ったか」よりも「買い受けて売るという営業かどうか」が基本の見方になります。

仕入れ先がリサイクル店、ネットオークション、海外ショップなどに変わっても、実態として仕入れ転売なら要注意です。

  • 海外購入品でも営業性があれば許可が問題になり得る
  • 仕入れ記録を残すと説明がしやすい
  • 関税や輸入規制が別途絡む商品もある
  • ブランド品は真贋リスクが跳ね上がる

偽ブランドや盗品が混ざると別次元の違法リスク

古着転売で最も危険なのは、偽ブランドや盗品に気付かず扱ってしまうケースです。

商標権侵害や詐欺的な販売として扱われると、古物営業法とは別の枠で刑事責任が問題になります。

警察庁も偽ブランドや海賊版の注意喚起資料を出しており、ネット流通が多い点を明示しています。

リスク 偽ブランドを販売してしまう
関連領域 商標権侵害・知的財産権侵害
参考 警察庁資料(偽ブランド・海賊版)
対策 仕入れ段階で真贋の根拠を持つ

最初にやるべき安全チェック

合法ラインで古着転売を続けるには、始める前のチェックが最も効きます。

許可の要否、販売ページの表示、真贋と状態説明、税務の準備を先に整えると事故率が下がります。

迷ったら一次情報に戻り、地域の警察署の生活安全課に確認するのが確実です。

  • 仕入れ転売なら古物商許可の要否を確認する
  • 真贋の説明責任を負える仕入れ先に寄せる
  • 状態と採寸をテンプレ化して誤認を減らす
  • 帳簿と入出金記録を初月から残す

古物営業法で注意すべきポイント

桜の装飾と段ボール小包の春らしいイメージ

古物営業法は、盗品等の流通防止を目的として古物取引を管理する法律です。

古着転売は中古衣料の取引なので、仕入れ転売になるほど古物営業法の視点が濃くなります。

許可を取れば終わりではなく、取引の記録や確認の運用を回すことが重要です。

古物に当たる範囲を雑に決めない

古物営業法では「古物」の範囲が定義されており、単に古い物という意味に限りません。

一度使用された物や使用されない物でも使用のために取引された物など、考え方が広いのが特徴です。

古着は典型的に古物に該当しやすく、仕入れて売るなら前提として扱うのが安全です。

観点 古物の定義と許可の要否
参照 e-Gov法令検索(古物営業法)
古着の位置付け 中古衣料として該当しやすい
注意点 自己の不要品と仕入れ転売を混同しない

取引記録と確認の運用が甘いと事故る

古物営業は、許可だけでなく取引の管理が求められる世界です。

仕入れの経路が曖昧だと、盗品混入時に説明ができず、自分を守れません。

ネット仕入れの場合ほど、相手情報や取引履歴を「残る形」にしておく意識が必要です。

  • 仕入れ先の情報と購入日時を残す
  • 取引メッセージや領収情報を保存する
  • ブランド品は真贋根拠を添付できる形にする
  • 仕入れ単位で管理番号を付ける

フリマアプリでも許可が不要とは限らない

プラットフォームがフリマアプリでも、取引実態が仕入れ転売なら古物商の論点は消えません。

「不用品の販売だけなら不要」という説明は正しい一方で、転売ビジネスに広げた瞬間に条件が変わります。

許可の要否に迷う場合は、警察のQ&Aや自治体の案内も参考になります。

よくある誤解 フリマなら許可がいらない
実態判断 仕入れ転売なら許可が問題になり得る
参考 大阪府警(古物営業法Q&A)
対策 転売に寄せるなら早期に許可取得を検討する

許可取得の流れと最低限の準備

許可は公安委員会への申請ですが、実務の窓口は警察署になることが一般的です。

営業所の所在地を基準に手続が進むため、住所や営業形態の整理を先にやるとスムーズです。

開業後に慌てるより、販売を本格化する前に整えておく方がリスクと手戻りが減ります。

  • 営業所の住所と管理体制を決める
  • 扱う品目と販売チャネルを整理する
  • 取引記録の保存ルールを作る
  • 申請先の警察署に事前相談する

古着転売で違法になりやすい行為

配送用の箱にリボンをかける梱包作業

古着転売の違法リスクは、許可の有無だけでなく「販売の中身」にも潜みます。

特に偽ブランド、表示の誤認、返品トラブルは、購入者の被害と直結しやすいです。

ここでは、初心者が踏み抜きやすい地雷を具体例として整理します。

偽ブランドを扱うと商標権侵害に直結する

偽ブランド品の販売は、古着の範囲を超えて知的財産権侵害として扱われます。

「知らなかった」で済まない局面もあるため、真贋が怪しい商品は最初から扱わない方が安全です。

警察庁資料でも、インターネット上での流通が多い点が示されているため、ネット販売ほど警戒が必要です。

  • 相場より極端に安いブランド品は避ける
  • ギャランティや購入証明の整合性を確認する
  • ロゴや刻印の仕様をアップデートして学ぶ
  • 疑義が残るなら取り扱わない

盗品や不正品の転売は刑事トラブルに発展しやすい

盗品が混ざると、購入者とのトラブルだけでなく捜査対象になる可能性があります。

仕入れ先の身元や取引記録が曖昧だと、善意でも説明できず、結果的に不利になります。

「仕入れが簡単なルート」ほど玉石混交になりやすいので、入口の設計が重要です。

危険な兆候 身元不明の大量出品・説明が短すぎる
よくある場面 相場より不自然に安いまとめ売り
守り方 取引履歴と仕入れ根拠を保存する
判断 不自然さを感じたら見送る

状態の誇張は景品表示法の不当表示につながる

古着は状態が一点物なので、説明の誤差がそのままクレームに変わりやすいです。

「新品同様」「未使用級」などの表現が、実態に合わないと不当表示の問題にもつながり得ます。

景品表示法は消費者の合理的な選択を阻害する表示を防ぐ趣旨で、行政処分の対象になり得ます。

法律 不当景品類及び不当表示防止法
一次情報 e-Gov法令検索(景品表示法)
典型リスク 優良誤認につながる誇張表現
対策 採寸・写真・ダメージ記載で客観化する

返品特約や連絡先表示が弱いと特商法トラブルになる

ネットで反復継続して販売するなら、特定商取引法の通信販売規制も意識が必要です。

広告表示として必要な事項や、返品特約の表示ルールは消費者庁のガイドで整理されています。

フリマでも実態が事業者寄りなら、購入者からのトラブル対応を含めて「表示の整備」が効きます。

  • 事業者情報や連絡先を分かりやすくする
  • 返品可否と条件を事前に明示する
  • 配送や支払条件を誤解のない形で書く
  • 購入前の最終確認画面の表示にも配慮する

販売ページで必須の表示とトラブル回避

梱包用の紙袋とタグと紐が並ぶナチュラルな作業スペース

古着転売は、仕入れの合法性だけでなく販売ページの設計で安全性が大きく変わります。

購入者が誤認しやすいのは、サイズ感、状態、返品条件、連絡手段の四つです。

ここをテンプレ化すると、クレーム対応コストが下がり継続しやすくなります。

特商法の通信販売として表示すべき事項を押さえる

通信販売では、広告に表示すべき事項が定められており、記載が不十分だとトラブルの温床になります。

消費者庁の特定商取引法ガイドには、表示項目が整理されているため、まずはそこに沿って整備します。

販売チャネルが自社ECに近づくほど、購入者の期待値が上がるので表示品質が重要になります。

一次情報 消費者庁(通信販売の表示)
対象 ネットで隔地販売する形態
要点 販売条件・責任・連絡先の明確化
実務 テンプレ化して全商品で統一する

状態説明は「欠点の先出し」と「写真の整合」で守る

古着は新品と違い、ダメージや使用感が前提なので、欠点を先に書く方が結果的に信頼が上がります。

毛玉、色褪せ、穴、汚れ、タグ欠損などは、購入者の判断材料として明示し、写真で裏付けます。

主観語を減らし、事実ベースの説明に寄せると誇張リスクも下がります。

  • ダメージの種類を固定の語彙で列挙する
  • 汚れは位置と大きさを具体化する
  • 写真は全体・タグ・ダメージの順で揃える
  • 香りや保管環境も必要に応じて明記する

採寸の書き方を統一してサイズトラブルを減らす

古着の返品トラブルで多いのは、実寸の認識違いによるサイズ不一致です。

ブランド表記サイズだけでは伝わらないため、実寸を同じルールで計測して並べます。

購入者が比較しやすい項目に絞り、誤差範囲も明記すると揉めにくくなります。

カテゴリ トップス
必須採寸 着丈・身幅・肩幅・袖丈
誤差 平置きで数cm程度の誤差が出る旨を明記
補足 伸縮素材や厚手は注記を付ける

返品特約は表示ルールを守って事前に決める

通信販売ではクーリングオフが原則として適用されない一方で、返品を巡るトラブルが起きやすいです。

返品特約を広告に表示した場合の扱いなど、消費者庁のガイドラインで表示方法が整理されています。

古着は個体差が大きいので、返品条件を曖昧にせず、例外条件も含めて文章化しておくと強いです。

  • 返品可否と期限を明記する
  • 送料負担の考え方を明記する
  • 状態相違の判断基準を定義する
  • タグ付き未使用など例外条件を整理する

参考:消費者庁(返品特約表示ガイドライン)

税金と確定申告で揉めないために

カッター、ハサミ、テープ、メジャーなどの梱包作業に使う道具一式

古着転売が違法かどうかを気にする人ほど、税務を後回しにして失敗しがちです。

税金は「違法か合法か」と別軸で進むため、利益が出るほど申告と帳簿が重要になります。

ここでは国税庁の一次情報を軸に、最低限の判断ポイントをまとめます。

課税されるかは「生活用動産」か「事業性」かで変わる

自分の生活で使っていた衣類などの売却は、一般に生活用動産の売却として非課税になる説明があります。

一方で、仕入れて売る形に寄るほど、事業的な所得として扱われやすく、申告の必要性が上がります。

どちらに当たるかは、頻度や目的、規模など実態で判断されるため、グレーに寄せない方が安全です。

一次情報 国税庁(フリマ等の所得の考え方)
非課税になりやすい例 生活に使用した資産の売却
課税になりやすい例 仕入れて反復継続して販売
対策 仕入れ転売なら最初から帳簿を用意する

会社員でも副収入の所得が増えると申告が必要になる

給与所得者でも、給与以外の所得が一定額を超えると確定申告が必要になる場合があります。

国税庁のタックスアンサーでは、年末調整済みでも副収入等による所得が20万円を超える場合の扱いが整理されています。

古着転売は利益率が読みにくいので、売上ではなく所得で管理し、超えそうなら早めに準備します。

  • 売上ではなく利益を月次で把握する
  • 仕入れや送料などの経費を証憑で残す
  • 住民税の申告方法にも注意する
  • 迷うなら税理士や自治体窓口で確認する

参考:国税庁(No.1906)

経費計上は「関連性」と「証拠」で決まる

古着転売の経費は、仕入れ、送料、梱包材、撮影備品、保管用品など幅広くなり得ます。

ただし、私的利用と混ざると否認リスクが上がるため、業務関連性を説明できる形に寄せます。

クレカ明細だけに頼らず、領収書や購入履歴を残し、月ごとにまとめる運用が強いです。

経費の例 仕入れ代・送料・梱包材
注意点 私的利用と按分が必要な支出がある
証拠 領収書・購入履歴・取引履歴
運用 月次で整理し、取引単位に紐付ける

無申告は違法リスクとは別に追い込まれる

古物の許可や表示を守っていても、申告漏れがあると延滞税等のペナルティが乗り、資金繰りが崩れます。

特に古着転売は回転資金が命なので、税務の遅れはそのまま仕入れ停止に直結します。

最初から帳簿を作っておけば、利益の見通しも立ち、違法リスクの判断材料としても使えます。

  • 売上と仕入れを取引単位で記録する
  • 手数料と送料を分けて管理する
  • 期末在庫を把握して利益を正確化する
  • 翌年の納税資金を先に確保する

安心して古着転売を続けるための要点

自宅のデスクに置かれたノートパソコンとコーヒー

古着転売は、やり方次第で違法にならずに継続できます。

一方で、仕入れ転売なら古物商許可の検討は避けて通れず、無許可営業は重い罰則があり得ます。

また、偽ブランドや盗品の混入は別次元のリスクなので、仕入れ先と真贋の根拠を最優先に設計します。

販売ページでは、特商法表示、状態説明、採寸、返品特約をテンプレ化し、誤認とトラブルを減らします。

税務は合法性とは別軸で進むため、利益が出る前提で帳簿を作り、国税庁の一次情報に沿って判断します。

迷ったら、e-Gov法令検索の条文と、消費者庁・国税庁のガイドに戻る癖を付けると判断が安定します。

最後に、地域の警察署や専門家へ事前相談できる体制を用意しておくと、拡大フェーズでもブレずに運用できます。