古着が好きだけど、最近は「古着ブームは終わり」と聞いて不安になる人もいます。
結論から言うと、ブームが終わったというより、熱狂が落ち着いて日常に定着したと捉えるのが自然です。
ただし、感じ方が割れるのも事実で、価格帯や買い方、店のタイプによって体感は大きく変わります。
この記事は、データと現場の変化を手がかりに、いま何が起きているのかを整理します。
最後に、これからの時代に損しにくい選び方と、売る側の生き残り方もまとめます。
古着ブームは終わりなのか
古着は「一過性の流行」と「生活に根付く選択肢」が同時に存在するジャンルです。
SNSでの話題量や相場が落ち着くと、ブーム終焉に見えやすくなります。
一方で、リユース市場そのものは伸びており、古着が消える状況ではありません。
結論は沈静化ではなく定着
派手な盛り上がりが一巡すると、体感として「終わった」に見えやすくなります。
しかし、購買行動として古着を選ぶ層は残り、選択肢として定着しています。
いまは熱狂で買う人が減り、目的を持って買う人が増えるフェーズです。
その結果、売れ筋が二極化し、店やジャンルで明暗が分かれます。
- 流行買いが減る
- 目的買いが増える
- 二極化が進む
- 店の差が広がる
市場データは拡大を示している
リユース全体の市場規模は拡大が続いています。
たとえば2024年のリユース市場規模は3兆2628億円と推計され、記事はリユース経済新聞(2025年9月26日掲載)で確認できます。
同記事では、衣料・服飾品とブランド品を合わせたリユースファッション市場が1兆円を超えた旨も示されています。
つまり、古着が「市場として消える」方向ではなく、形を変えて続く方向が読み取れます。
| 指標 | リユース市場規模 |
|---|---|
| 規模 | 3兆2628億円 |
| 対象年 | 2024年推計 |
| 出所 | リユース経済新聞 |
相場のピークアウトが終わりに見える
一部アイテムの高騰が落ち着くと、ブーム終焉と誤解されがちです。
相場は需要と供給で動くため、値下がりは必ずしも人気の消滅を意味しません。
むしろ過熱が落ちたことで、買う側にとっては健全化とも言えます。
値段よりも状態や来歴で選ぶ人ほど、影響を受けにくくなります。
- 価格高騰の反動
- 供給増による調整
- 値頃感の回復
- 目利きの価値が上がる
CtoCの成長鈍化が体感を変える
フリマアプリ中心で古着に触れていた人ほど、伸びの鈍化を「終わり」と感じやすくなります。
リユース経済新聞では、CtoCの伸びが微増に留まり転換期と示されています。
CtoCが落ち着く一方で、店舗販売や選別されたBtoCが強くなる流れも見えます。
体感のズレは、買い場の変化として理解すると整理しやすいです。
| 変化 | 伸びの鈍化 |
|---|---|
| 起点 | フリマ中心の体験 |
| 影響 | 終わった感が出る |
| 読み替え | BtoC比重が上がる |
店舗の増加で「飽和」に見える地域がある
古着屋が増えた地域では、単純に競争が激しくなります。
選択肢が増えるほど、平均的な店は埋もれ、閉店も目立ちやすくなります。
その光景が「ブーム終了」に見えることがあります。
ただし飽和は人気の消滅ではなく、淘汰が始まったサインでもあります。
- 同質店が増える
- 集客が分散する
- 閉店が目立つ
- 個性店が残る
インバウンドが需要を底支えしている
訪日客が増える局面では、古着が旅行消費の選択肢に入りやすくなります。
国内相場だけでなく、海外需要が絡むと価格と回転が変わります。
とくにブランド品やヴィンテージ寄りは、外需の影響を受けやすい領域です。
売れる店と売れない店の差が広がる要因にもなります。
- 観光動線の強さ
- 円安の追い風
- 海外評価の高さ
- 高単価領域が強い
環境文脈で古着の意味が強くなる
古着は安さだけでなく、廃棄を減らす行動として語られるようになりました。
環境省は衣類の資源循環に関する資料で、国内供給量に対して多くが手放され焼却等で処理される現状を示しています。
たとえば環境省資料(令和7年10月)では、衣類の国内新規供給量82万トンに対し、約7割に相当する56万トンが手放され焼却等で処理と推計されています。
この状況が続く限り、古着は文化として残りやすい土台があります。
| 資料 | 衣類の資源循環システム構築に向けた現状 |
|---|---|
| 供給量 | 82万トン |
| 処理量 | 56万トン |
| 出所 | 環境省 |
2026年以降は多層化が進む
古着は一枚岩のブームではなく、複数の流れが同時に走ります。
カルチャーとしてのヴィンテージと、実用品としての古着は別の市場です。
そのため、終わるのは「ある層の熱狂」であって、全体ではありません。
今後は「買う理由」が細分化し、店の設計がより重要になります。
- ヴィンテージは継続
- レギュラーは定着
- ジャンルは細分化
- 店の編集力が鍵
古着ブームが終わったと感じる理由
終わった感覚には、いくつかの典型パターンがあります。
実態の変化というより、見え方が変わっているケースも多いです。
ここでは、よくある「体感のズレ」を原因別に整理します。
SNSの話題が減って見える
トレンドは常に上書きされるため、話題が減ると過去形に見えます。
一時期ほどのバズが起きにくいだけで、買っている人が消えるとは限りません。
むしろ定着期ほど、静かに買い続ける層が増えます。
検索やバズではなく、店のコミュニティが主戦場になります。
- バズが落ち着く
- 定着層が増える
- コミュニティ化する
- 局所的に熱が残る
供給過多で掘り出し物が減る
店舗や仕入れが増えると、同じような商品が並びやすくなります。
掘り出し物を探す体験が薄れると、熱が冷めたように感じます。
これは需要の消滅ではなく、供給の均質化が原因です。
店ごとの選別基準が弱いほど、似た景色になります。
| 現象 | 商品が似る |
|---|---|
| 体感 | 飽きる |
| 原因 | 供給の均質化 |
| 対策 | 選別基準で選ぶ |
高騰疲れで購買が鈍る
高騰期に入った人ほど、価格に納得できず離脱しやすくなります。
とくに「安いから古着」という期待が強いほどギャップが出ます。
しかし価格が落ち着けば、また戻る層も出てきます。
高騰疲れは終わりではなく、過熱の副作用です。
- 値上がりで萎える
- 安さ期待が崩れる
- 一旦離れる
- 落ち着くと戻る
真贋や状態トラブルが増える
市場が大きくなると、真贋や状態表記のトラブルも目立ちます。
嫌な体験があると「古着はもう終わり」と結びつけやすくなります。
実際は、取引のルールと説明の質が問われる段階に入ったと考えられます。
信頼できる店や出品者に寄せる動きが強くなります。
| 課題 | 真贋 |
|---|---|
| 課題 | 状態表記 |
| 結果 | 離脱が起きる |
| 傾向 | 信頼に集中 |
古着が終わらない理由
古着は流行の外側に、継続する理由を複数持っています。
節約、個性、環境、そして企業の参入が同時に働くためです。
ここを押さえると、短期の波に振り回されにくくなります。
物価高で「新品より合理的」になる
新品価格が上がると、相対的に古着の魅力が増します。
同じ予算でも品質の良い素材やブランドに届きやすくなります。
節約というより、満足度を上げる選択として古着が選ばれます。
この合理性は景気に左右されにくい強さになります。
- 新品価格が上がる
- 相対的に古着が得
- 品質を上げやすい
- 合理性が残る
一点物の価値は代替されにくい
古着は同じものが常に買えるわけではありません。
その不確実性が、発見体験や所有感につながります。
大量生産のトレンドとは別の軸で価値が成立します。
結果として、流行が変わっても好きな人は残ります。
| 価値 | 一点物 |
|---|---|
| 体験 | 発見 |
| 心理 | 所有感 |
| 強み | 代替が難しい |
環境施策と教育で選択肢として残る
衣類の廃棄が社会課題になるほど、古着は「良い行動」に近づきます。
環境省のサステナブルファッションの情報発信も、行動変容を後押しします。
古着を選ぶことが、節約だけでなく価値観の表明になります。
価値観で買う層は短期の流行で消えにくいです。
- 廃棄の課題がある
- 政策発信が続く
- 価値観で選ぶ
- 継続性が高い
ブランドや企業がリセールに参入する
企業が公式に中古流通へ関与すると、市場は安定しやすくなります。
真贋や品質保証の仕組みが整うと、買い手の不安が減ります。
個人売買だけの世界から、流通の選択肢が増える方向です。
結果として、古着はブームというよりインフラに近づきます。
| 動き | 公式リセール |
|---|---|
| 効果 | 真贋不安が減る |
| 効果 | 品質が揃う |
| 帰結 | 市場が安定 |
これから伸びる古着ジャンル
「古着」と一括りにすると、終わったかどうか判断しにくくなります。
伸びる領域は、用途と価値の軸が明確なところです。
ここでは今後も需要が残りやすいジャンルを整理します。
トゥルーヴィンテージの資産性
希少性が担保される領域は、流行よりもコレクション性で動きます。
状態や来歴が価値を決めるため、相場のブレにも理由が生まれます。
文化的価値が付くと、国内外の需要が重なります。
シーンの動きとしては、たとえばGQ JAPANの特集(2025年12月13日)のように、語りが続くこと自体が継続の証拠になります。
- 希少性が強い
- 来歴が価値になる
- 外需が入りやすい
- 文化として残る
レギュラー古着は実用品として残る
手頃で着やすい古着は、流行より生活者の需要で動きます。
古着初心者が最初に買いやすい価格帯でもあります。
コーデの汎用性が高いほど、長く売れます。
結果として市場は「高額品の熱」と「日用品の定着」に分かれます。
| 位置づけ | 実用品 |
|---|---|
| 価格帯 | 手頃 |
| 需要 | 初心者も含む |
| 強み | 長く売れる |
スポーツとワークは機能で選ばれる
機能服は、トレンドが変わっても用途が消えにくいです。
耐久性があり、古着で買っても満足度が高くなります。
サイズや状態の見極めができれば、失敗も減ります。
結果としてリピートが生まれやすいジャンルです。
- 用途が明確
- 耐久性がある
- 満足度が高い
- リピートが起きる
リメイクとアップサイクルが広がる
古着を素材として扱う動きは、価格競争から離れやすいです。
一点物の価値を作るため、同じ古着でも別の商品になります。
作り手の技術や世界観が差別化になります。
素材循環の文脈とも相性が良く、続きやすい領域です。
| 方向性 | 素材として使う |
|---|---|
| 価値 | 一点物を作る |
| 差別化 | 技術と世界観 |
| 相性 | 循環型 |
古着ブーム後も損しない買い方
ブームの熱が落ち着くほど、買い方の基本が効いてきます。
衝動買いを減らし、基準を持つだけで満足度は上がります。
ここでは初心者でも再現しやすい基準をまとめます。
相場は比較してから決める
同じカテゴリでも、店の強みで価格は変わります。
値付けには洗浄、補修、検品、保証のコストが乗ることがあります。
安いだけで選ぶと、状態差で損をすることがあります。
比較の軸を持てば、納得して買えるようになります。
- 複数店で比較
- コストの内訳を見る
- 状態差を意識
- 納得で買う
状態チェックは見る順番を固定する
古着の失敗は、見落としが原因になりがちです。
順番を固定すると、短時間でも抜けが減ります。
特に襟、袖、脇、裾は差が出やすいポイントです。
購入前に許容ラインを決めると迷いにくくなります。
| 部位 | 襟 |
|---|---|
| 部位 | 袖 |
| 部位 | 脇 |
| 部位 | 裾 |
サイズはタグより実寸で判断する
年代やブランドで、同じ表記でも着用感が変わります。
実寸と手持ち服の比較が最も確実です。
肩幅、身幅、着丈、袖丈の4点を押さえると失敗が減ります。
オンライン購入ほど実寸の確認が重要になります。
- 肩幅
- 身幅
- 着丈
- 袖丈
買った後の洗浄と保管で寿命が変わる
古着は買って終わりではなく、手入れで価値が変わります。
素材に合う洗い方を選ぶと縮みや傷みを防げます。
ニオイ対策は換気と乾燥が基本になりやすいです。
保管は湿気を避けるだけで、状態維持が楽になります。
| 工程 | 洗浄 |
|---|---|
| 工程 | 乾燥 |
| 工程 | 換気 |
| 工程 | 湿気対策 |
売る側が生き残るポイント
ブームの終わりが語られる時期ほど、売る側の差がはっきり出ます。
回転だけの勝負から、信頼と編集力の勝負に変わります。
個人でも店舗でも有効なポイントを整理します。
仕入れは「強い棚」を作る
何でも置く店は、選ばれる理由が薄くなります。
強い棚とは、ジャンルやサイズ感が揃い、提案ができる棚です。
リピートは「また同じ趣味の棚がある」ことで生まれます。
まずは一点物より、棚の一貫性を優先すると伸びやすいです。
- ジャンルを絞る
- サイズ感を揃える
- 提案を作る
- 一貫性を保つ
真贋とコンプライアンスを整える
疑いが一度出ると、アカウントや店の信用は戻りにくいです。
仕入れ経路、検品基準、説明文の精度が必要になります。
高単価ほど、証拠と説明が価値の一部になります。
信用は広告よりも長期的な利益を作ります。
| 要素 | 仕入れ経路 |
|---|---|
| 要素 | 検品基準 |
| 要素 | 説明精度 |
| 狙い | 信用の蓄積 |
販売チャネルは役割分担する
店頭とオンラインは、向いている商品が違います。
試着や接客が強みのものは店頭が向きやすいです。
定番品やサイズが読みやすいものはオンラインが回りやすいです。
役割分担で在庫のストレスが減ります。
- 店頭は体験
- オンラインは回転
- 商品で分ける
- 在庫を軽くする
説明は短く、決め手は具体にする
長文のうんちくより、買う判断材料が先に欲しい人が多いです。
素材、実寸、状態、年代の根拠を簡潔に出す方が売れやすいです。
写真で伝わらない部分ほど、文章の価値が上がります。
結果として返品やクレームも減りやすくなります。
| 必須 | 素材 |
|---|---|
| 必須 | 実寸 |
| 必須 | 状態 |
| 必須 | 年代根拠 |
古着はブームから文化へ移った
古着ブームが終わりなのかと聞かれたら、熱狂の波は落ち着き、選択肢として定着したと答えるのが近いです。
市場データではリユースが拡大し、古着が消える条件は見えにくいです。
一方でCtoCの伸び鈍化や供給過多で、体感として終わったように感じる場面は増えます。
これからは、ジャンルの見極めと買い方の基準がある人ほど、古着を長く楽しめます。
売る側も、棚の一貫性と信用設計ができれば、定着期のほうが強くなれます。
流行の波に乗るより、文化としての古着と付き合うほうが、結果的に満足度も収益も安定しやすいです。

