古着はなぜ人気なのか|価格と価値観の変化がトレンドを作った!

大量の段ボール箱と梱包資材が並ぶ倉庫内の様子
古着

古着が好きな人が増えた背景には、単なる節約だけでは説明できない「価値観の変化」があります。

新品より安く買えることは入口ですが、個性の出しやすさやサステナブル志向、そして売買のしやすさが人気を押し上げています。

一方で、状態差や衛生面、サイズ感の難しさなどの不安もあり、買い方のコツを知るほど満足度が上がります。

この記事は「古着がなぜ人気なのか」を結論から整理し、理由の全体像と、失敗しにくい楽しみ方までつなげて解説します。

古着はなぜ人気なのか

大量の段ボール箱と梱包資材が並ぶ倉庫内の様子

古着人気の核は、価格メリットに加えて「一点物の体験」と「循環に参加している実感」が同時に得られる点です。

同じ予算で選択肢が増える

新品価格が上がるほど、同じ予算で手に入る古着の選択肢は増えます。

特にアウターや革靴のように新品だと高額になりやすいカテゴリほど、古着の満足度が上がりやすいです。

価格だけでなく「同等クラスの素材や縫製」に手が届くことが、人気の実感につながります。

  • 予算内でブランドや素材の幅が広がる
  • セール待ちより早く手に入る
  • 試し買いの心理的ハードルが下がる

一点物で自分の軸が作りやすい

古着は同じ型番でも色落ちや風合いが違い、出会いの要素が強いです。

その偶然性が「自分らしい装い」を作る材料になり、テンプレ感を避けたい層に刺さります。

流行の追いかけよりも、好きなテイストを積み上げる楽しさが前面に出ます。

  • 経年変化が表情になる
  • 人とかぶりにくい
  • コーデの主役が作りやすい

サステナブルの実感が行動に直結する

ファッション産業は環境負荷が大きいという問題意識が広がり、長く使うこと自体が価値になっています。

環境省はサステナブルファッションの取り組みを紹介し、衣服の背景を見つめ直す必要性を示しています。

「買う」行為が「捨てない」選択とつながるため、自己納得の強い消費になりやすいです。

一次情報 環境省_サステナブルファッション
ポイント 大量生産・大量消費・大量廃棄の見直しが国際課題とされる
古着人気との関係 購入が「循環の参加」になりやすい

売買のインフラが整って気軽になった

フリマアプリやリユース店の増加で、探す手間と不安が減りました。

検索やレコメンドが進化し、古着でも「欲しい条件で見つける」体験が新品に近づいています。

売る側も買う側も参加しやすくなり、循環が加速して人気が定着します。

参考 ThredUp Newsroom(Resale Reportの発表)
示唆 オンラインの拡大と体験改善が需要を押し上げる
日本での見立て 検索性の向上が「掘り出し物探し」を日常化する

市場が伸びている事実が安心材料になる

人気の裏付けとして、市場規模の拡大は分かりやすい材料です。

矢野経済研究所は2024年のファッションリユース市場を1兆2,800億円と予測し、今後も拡大すると示しています(2024年8月時点)。

伸びている市場は品揃えやサービス改善が進みやすく、初心者も入りやすくなります。

市場データ 矢野経済研究所(2024年ファッションリユース市場調査)
時点 2024年(予測値の公表は2024年8月)
古着人気への影響 店舗・EC・買取の整備が進み、参加のハードルが下がる

人気が強まった背景は価値観の変化

スマートフォンで子供用シューズを撮影する出品準備の様子

古着が一過性のブームで終わらないのは、社会や生活者の価値観が変わり、古着がそれに合致したからです。

新品の「正解感」が弱まった

以前は新品=良いものという価値観が強く、古着は代替の立ち位置になりがちでした。

いまは新品であることより、似合うことやストーリーがあることが評価されやすいです。

結果として、古着が「妥協」ではなく「選択」になります。

  • 流行より自分の好みを優先する
  • 新品か中古かより納得感を重視する
  • 着用シーンに合えば十分と考える

環境負荷の可視化が進んだ

衣服は生産から廃棄までで資源やエネルギーを多く使い、社会課題として語られるようになりました。

環境省資料では、衣類由来のCO2排出が95百万トン、水資源の消費量が83.8億㎥と推計された旨が示されています(資料の記載に基づく)。

こうした問題意識が「長く着る」「循環に回す」行動を後押しします。

根拠資料 衣類の資源循環システム構築に向けた現状(環境省, 令和7年10月)
示される推計 衣類由来CO2 95百万トン/水資源 83.8億㎥
古着人気との関係 購入が「環境負荷を増やしにくい選択」になりやすい

「捨てる」ことへの抵抗感が高まった

使える服が可燃ごみとして処理される現実が知られるほど、手放し方に意識が向きます。

環境省資料のマテリアルフローでは、衣類の国内新規供給量が計82万トンに対し、約7割の計56万トンが手放され焼却等で処理と推計されています(資料の留意事項も併記)。

古着の売買は、この「手放し」を循環に変える手段として理解されやすいです。

  • 捨てる前に売るという選択が一般化した
  • 譲渡や回収の導線が増えた
  • 買う側も循環に参加している実感が得やすい

コミュニティ化で情報が集まりやすい

古着は「何を選ぶか」に個人差が大きく、情報の共有が価値になります。

SNSでのコーデ投稿や購入レビューが増え、初心者でも学びやすくなりました。

流行の中心がメディアから個人へ移るほど、古着の相性は良くなります。

起きていること 個人発信が購買の意思決定に影響する
古着の特徴 一点物のため発信が「発見」になりやすい
初心者の利点 サイズ感や年代の知識を短時間で吸収できる

古着が支持される具体的なメリット

段ボールにニットを梱包している様子

古着の良さは抽象的な「雰囲気」だけではなく、体験として分かりやすい利点に分解できます。

素材や縫製の「当たり」を引きやすい

古着には、現行品より厚手の生地や丁寧な縫製の個体が残っていることがあります。

新品価格では手が届きにくい質感を、現実的な予算で試せるのは大きな利点です。

ただし同じモデル名でも個体差があるので、状態確認が前提になります。

  • 生地の厚みとハリを触って確かめる
  • 縫い目の乱れやほつれを確認する
  • 裏地やポケットの破れを見落とさない

リセール前提で「コストが読みやすい」

古着は、買った後に手放す選択肢が現実的で、実質コストを見積もりやすいです。

人気カテゴリや定番ブランドは流通量が多く、相場が形成されやすい傾向があります。

ただし相場は変動するため、利益目的ではなく納得できる価格で買うことが大切です。

コストの考え方 購入価格−想定売却価格=実質コスト
相場が見えやすい例 定番デニム/ミリタリー/レザー小物
注意点 状態・サイズ・付属品で価格差が大きい

コーデの「起点」が作りやすい

古着は主役級の柄やシルエットが見つかりやすく、コーデの軸になります。

新品のトレンド品よりも「自分の基準」で選びやすいので、買い物がブレにくくなります。

結果として、服が増えても着回しのストレスが減ります。

  • 一点投入で雰囲気が変わる
  • ベーシックとの相性が良い
  • アクセや靴で調整しやすい

購入体験が「宝探し」になりやすい

古着は在庫が固定されず、見に行くたびに発見があります。

その偶然性が娯楽性を生み、買い物の満足度を押し上げます。

目的買いだけでなく、散歩の延長として楽しめるのも人気の理由です。

体験の特徴 出会いが一期一会になりやすい
満足度が上がる条件 試着できる/採寸が丁寧/回転が速い
失敗しにくい工夫 予算上限と欲しいカテゴリを先に決める

古着の不安が消えない理由と対策

束ねられた段ボールシートの断面アップ

人気が高い一方で、古着には新品と違う不安があり、ここを理解すると失敗率が下がります。

状態差が大きく「同じもの」が存在しない

古着は個体差が前提で、写真だけでは判断しにくいポイントがあります。

色落ちや毛羽立ちは魅力にもなりますが、ダメージと紙一重です。

購入前に確認項目を固定し、判断基準を作るとブレにくくなります。

  • 襟・袖・裾の擦れは必ず見る
  • 脇や股など摩耗部位を優先する
  • ニオイは説明文とレビューも参照する

サイズ感が読みづらい

年代やブランドでサイズ表記が異なり、同じMでも実寸が違うことがあります。

身幅と肩幅が合わないと、見た目の印象が大きく崩れます。

実寸の基準を自分の手持ち服で作ると、判断が早くなります。

最低限の採寸 肩幅/身幅/着丈/袖丈
比較のコツ 手持ちの「一軍服」を測って基準化する
注意点 洗い縮みの可能性がある素材は余裕を見る

衛生面やニオイが気になる

古着の最大の心理的ハードルは、清潔感への不安です。

店舗の洗濯やクリーニング方針は差があり、買う側のケアも前提になります。

素材に合った洗い方を知れば、ほとんどの不安は軽くできます。

  • 購入後に一度洗うか陰干しする
  • ウールや革は専用ケアに切り替える
  • 保管は除湿と防虫をセットにする

偽物や改造品への不安がある

ブランド古着が人気になるほど、真贋不安も増えます。

鑑定体制や返品ポリシーが明確な販売者を選ぶほど、リスクは下がります。

値段だけで判断せず、情報の透明性を重視することが重要です。

見るべき情報 返品条件/検品基準/状態ランクの説明
リスクが上がる例 写真が少ない/説明が曖昧/相場より極端に安い
対策 相場確認と、信頼できる店の固定化

古着を楽しむための買い方のコツ

大量の段ボール箱と梱包資材が並ぶ倉庫内の様子

古着は「探し方」と「手放し方」まで設計すると、満足度が一気に上がります。

最初はカテゴリを絞る

古着初心者が失敗しやすいのは、いきなり守備範囲を広げることです。

まずは着回しやすいカテゴリに絞り、サイズ基準と好みを固めます。

基準ができると、掘り出し物の判断が速くなります。

  • シャツやスウェットから始める
  • 色を3色程度に絞って選ぶ
  • 手持ち服と組める前提で買う

購入基準を「実寸」と「状態」で固定する

古着は雰囲気で買うと後悔しやすく、基準があるほど勝率が上がります。

実寸と状態のチェック項目をテンプレ化すると、迷いが減ります。

オンライン購入でも、質問が具体的になり情報が集まりやすいです。

実寸の基準 手持ちの基準服と±何cmまで許容するか決める
状態の基準 穴・破れは不可、色落ちは可など線引きを作る
運用のコツ 迷ったら写真追加依頼か見送る

店とECを使い分ける

試着できる店はサイズ問題に強く、ECは選択肢の広さに強いです。

まず店で基準を作り、慣れたらECで効率よく探す流れが合いやすいです。

それぞれの強みを理解すると、時間と失敗を同時に減らせます。

  • 店は試着と相談で精度を上げる
  • ECは条件検索で時短する
  • 購入後のケア前提で選ぶ

「手放し方」まで決めておく

古着は買う前に出口を想定すると、気持ちよく挑戦できます。

似合わなかった場合の売却先や譲渡先を決めておくと、実質コストが下がります。

循環の中で回す意識が、古着人気の思想とも噛み合います。

出口の選択肢 フリマアプリ/買取店/委託/知人に譲る
決め方 手間と回収額のバランスで固定する
注意点 季節外れは売れにくいので時期を読む

要点を短く整理すると見え方が変わる

桜の装飾と段ボール小包の春らしいイメージ

古着が人気なのは、価格の魅力だけでなく、一点物の楽しさと価値観の変化が重なった結果です。

市場の拡大や国の取り組みが追い風になり、買いやすさと安心感が増して定着しやすくなりました。

一方で状態やサイズの不安は残るため、実寸とチェック項目を基準化し、店とECを使い分けると失敗が減ります。

買う前に手放し方まで決めておくと、挑戦しやすくなり、古着の楽しさが長続きします。